先日、ある東証一部上場企業の会長をされている方の自分史が完成し、
慰労会ということでランチに招いていただきました。
その席上、お客様がしみじみおっしゃったことが心に残っています。
「人は亡くなると6ヶ月で忘れられる……という話を聞いたことがある。
知り合いの経済界の重鎮だった方は、亡くなられて半年もすると、
誰からもその人の名前を聞かなくなってしまった。
この本を残すことができて、本当に良かったよ……」
私はお話を聞いて、
やはり多くの方に自分史を作っていただきたい、
という思いを強くしました。
本という形にしていなければ、
亡くなった瞬間に、
その方の「人生という物語」は消えてしまいます。
残された人たちがその人を思い出す手がかりも、
永遠に失われてしまいます。
それはあまりにも寂しく、悲しいことではないでしょうか?
なかでも、企業において、創業者の思い、メッセージ、エピソードは、
その企業のアイデンティティを明確にしてくれるものであり、
今後も発展するために欠かせないものだと思います。
創業者の残した言葉に盲目的に縛られるのではなく、
逆境や厳しい競争に立ち向かうための心の拠り所とする。
新しく入社してきた人たちの教育資料とし、
すべての社員にとっての共通認識とする。
改めて、経営者・元経営者の方に特化した
自分史制作に取り組んでいこう……
そんなふうに思いました。